ブラームス/クラリネットソナタ第2番(コントラバス版)Juvichannel
コントラバスから鳴る低音が、ただ低いだけでなく、優しい低さで響いていた。
そして高音は優美で暖かく、透明。
特に、高音の透き通った暖かさがとても印象的だった。コントラバスの高音が、こんなに美しく優しくなれるのか、と驚いた。その音色は、まるで優美なお姉さんのようだった。無償で与えられる暖かな愛、頬を撫でる髪の美しさ、こちらを見つめるまなざし。
音色も、メロディーも何もかもそこにあるべくして存在している。
そこには思わず心を緩めて安心してしまう、優しい場所がある。
それらの音が、時に頬を撫でる風のようにさりげなく、
時にキッと見据えるまなざしのようにまっすぐに心の中に届いてくる。
コントラバス一台からあふれ出る、自由に変わる音色の雰囲気を聴いているのは、
一人の人の色々な面を一気に見ているようだった。